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治験実施件数111件はどう読む?AMEDの成果報告からCRA・CRO業界の求人動向を読み解く

AMEDの2026年成果報告(企業導出158件・治験等111件・薬事承認31件)とCRA・CRO業界の求人動向を表すアイキャッチ画像

みなさんこんにちは!あじたまごです!

2026年7月、国立研究開発法人日本医療研究開発機構(AMED)の中釜斉理事長が、第3期中長期目標期間における昨年度の事業成果を発表しました。

企業への導出158件、治験等111件、薬事承認31件(「エンハーツ」の適応拡大など)という数字が並んでいます(薬事日報の報道より)。

正直に言うと、この手のニュースは「へえ、そうなんだ」で流されがちです。

でも私はCRO(医薬品開発業務受託機関(CRO))でCRA(臨床開発モニター(CRA))からPM・GPMまで経験してきた立場として、この数字を見ると「来年、どのあたりの案件が増えるか」がある程度読めてしまいます。

今回は、AMEDの成果報告を求職者目線で分解し、CRA・CRO業界の転職活動にどう活かせるかを解説します。

この記事のポイント

  • AMEDの昨年度実績(企業導出158件・治験等111件・薬事承認31件)の意味
  • なぜ今、治験の実施件数が増加傾向にあるのか
  • 治験件数の増加がCRA・CRO業界の求人にどう跳ね返るか
  • 「エンハーツ」のような適応拡大実績から見える、これから伸びる治療領域
  • この追い風を転職活動に活かすための具体的な動き方

この記事では、単なるニュース紹介では終わらせず、私自身がCRO在籍時に感じた「案件が増える時期の空気感」も交えながら、数字の裏側を解説していきます。

AMEDの成果報告から見える、治験の実施状況

AMEDの成果報告(企業への導出158件→治験等の実施111件→薬事承認31件)の流れとCRA・CROへのつながりを示す図解

結論から言うと、治験等111件・企業導出158件という数字は、AMEDが掲げる第3期の重点方針(事業間連携の強化・産学協創・基礎研究の充実・国際展開推進・医療分野研究開発のDX)が実際の案件創出に結びついていることを示す実績です。

AMEDは医薬品医療機器総合機構(PMDA)とは役割が異なり、基礎研究の段階から治験へと橋渡しする「研究開発の資金配分・進行管理」を担う機関です。

公式の臨床研究・治験推進研究事業のページを見ると、目的として「ドラッグ・ラグ/デバイス・ラグの解消」が明記されています。

つまり、海外で使える薬が日本で使えない、日本で承認が遅れる、といった状態を減らすための予算配分機関だということです。

企業導出158件というのは、AMEDが支援した基礎研究の成果が製薬企業・バイオベンチャーに引き渡された件数を指します。

ここで生まれた案件が、数年後に治験としてCRO・CRAの現場に流れてくる構造になっています。

今回の「治験等111件」という数字は、まさに過去の企業導出の成果が案件化した結果とも言えます。

第3期の重点方針として挙げられている5項目も、それぞれ求職者にとって意味を持つ情報です。

  • 事業間連携の強化:異なる疾患領域・モダリティの研究事業同士を連携させる方針。専門領域を横断できる人材の価値が上がりやすくなります
  • 産学協創:大学発の研究と企業をつなぐ動き。アカデミア発ベンチャーの治験が今後増える可能性を示唆しています
  • 基礎研究の充実:今回の企業導出158件のような「次の治験の種」を増やす取り組みです
  • 国際展開推進:国際共同治験の増加とも重なる方針で、英語力を活かせる案件が増える背景になります
  • 医療分野研究開発のDX:モニタリング業務のデジタル化・効率化を指し、CRAに求められるスキルセットの変化にも関わってきます

いずれも「今すぐ求人が変わる」という話ではなく、数年単位で業界の案件構成に影響していく方針だと捉えておくとよいと思います。

なぜ今、治験の実施件数が増加傾向にあるのか

治験件数の増加期と停滞期における求人数・未経験採用・教育体制・年収交渉・応募条件の違いを比較した図解

理由は一つではなく、複数の政策的な追い風が重なっているためです。

一つは、骨太方針2026でも触れられている国際共同治験の増加です。

以前国際共同治験が倍増する?骨太方針2026とCRA・治験業界への影響を元CRAが解説という記事で触れましたが、日本を含めたアジア地域での同時治験実施が国の方針として後押しされています。

AMEDが掲げる「国際展開推進」もこの流れと重なっています。

もう一つは、海外バイオファーマの日本参入拡大です。

稼働CMR数が過去最多|海外新興バイオファーマの参入拡大とCRA/CRO業界への波及を元CRAが解説でも書きましたが、日本市場に新規参入する企業が増えると、当然そこにぶら下がる治験案件も増えます。

企業導出158件のうち一定数がこうした新興企業への導出だとすれば、CRO側の受託案件はこれから数年かけて積み上がっていく計算になります。

そしてもう一つが、AMEDが重点方針に掲げる「医療分野研究開発のDX」です。

これは電子データ収集(EDC)や分散型臨床試験(DCT)といった、モニタリング業務そのものを効率化する技術投資を指します。

案件数が増えても、1件あたりのモニタリング工数が減る方向に技術が進んでいるため、「量」だけでなく「働き方」も変わっていく可能性がある点は押さえておきたいところです。

あじたまごGPM@元CRA
あじたまごGPM@元CRA

私がCROに在籍していた頃、こういう政府系の発表があると、半年〜1年後くらいに求人票の「必須要件」が少しずつ緩む、という体感がありました。案件が増える時期は、経験者を選り好みしている余裕がなくなるからです。

治験件数の増加はCRA・CRO業界の求人にどう跳ね返るか

先に結論を言うと、案件数が増える局面では「経験年数への要求が緩み、未経験・第二新卒でも入りやすい求人が増える」傾向があります。

逆に案件が減る局面では、即戦力採用に絞られ、求人自体が減ります。

これは私の実感でもあり、CRO業界でよく言われる傾向でもあります。

以下に、案件が増加している時期と停滞している時期の求人の特徴を整理しました。

項目案件増加期の求人傾向案件停滞期の求人傾向
応募要件未経験・第二新卒も可の求人が増える即戦力(経験2〜3年以上)に限定されやすい
求人数CRO各社が一斉に増員募集をかける増員よりも欠員補充が中心になる
教育体制OJT・研修枠を新設する会社が出てくる教育コストをかけにくくなる
年収交渉経験者は複数社からオファーが来やすい交渉の余地が小さくなりやすい

ただし、ここで一つ正直に注意点を書いておきます。

AMEDの実績はあくまで「基礎研究〜治験の橋渡し」に関する数字であり、CRO各社の実際の求人動向は、各社の受託状況や経営判断によって差が出ます。

この数字だけで「今が転職の絶好のタイミングだ」と断定するのは早計です。

あくまで一般的な傾向・目安として捉え、実際の求人状況は転職エージェントやCRO各社の採用ページで直接確認することをおすすめします。

「エンハーツ」の適応拡大から見える、これから伸びる治療領域

今回の成果報告で名前が挙がった「エンハーツ」は、抗体薬物複合体(ADC)と呼ばれるモダリティの抗がん剤で、対象となるがん種の適応拡大が進んでいる薬剤です。

オンコロジー(がん領域)は、もともと国内外で治験数が多い領域ですが、ADCのような新しいモダリティが実用化フェーズに入ると、その領域を担当できるCRA・CRAの需要はさらに厚くなります。

CRO各社は、案件が集中する治療領域について「経験者採用」を強化する一方、未経験者に対しても該当領域の研修枠を設けることがあります。

もしオンコロジー領域に興味があるなら、以下のような動き方が考えられます。

  • がん薬物療法・ADCに関する基礎知識をあらかじめインプットしておく
  • 応募時に「オンコロジー領域を担当したい」という希望を明確に伝える
  • がん専門病院やがんセンターでの臨床経験がある場合は、その経験を前面に出す

もちろんオンコロジーだけがすべてではありません。

AMEDの重点方針には希少疾患・再生医療等製品への言及もあり、領域は多岐にわたります。

自分がどの領域に強みを持てるかは、これまでのキャリアや興味関心と照らし合わせて考えるのが一番です。

AMEDの発表とCROの求人は、実際どのくらいのタイムラグで連動しますか

私の体感になりますが、企業導出のような「案件の種」が実際の求人増加として表面化するまでは、早くても半年、案件の規模によっては1〜2年かかる印象があります。

基礎研究から治験開始までのプロセス自体に時間がかかるため、AMEDの発表を見てすぐに転職市場が変わるわけではありません。

中長期の業界動向を把握する材料として捉えるのがちょうどよいと思います。

未経験からCRAを目指す場合、どの情報を優先してチェックすればいいですか

AMEDのような政策・研究開発動向よりも、まずは実際の求人票(応募要件・研修制度の有無)を優先して見るのがおすすめです。

政策動向は「業界全体の追い風・向かい風」を把握するための背景情報として、求人票と併せて参考にする程度で十分です。

転職エージェントに希望条件を伝えたうえで、複数の求人を比較しながら判断していくのが現実的な進め方です。

この追い風を活かしてCRA転職を成功させるために今できること

結論として、案件が増加傾向にある今のタイミングは、未経験からCRAを目指す方にとって追い風になり得ますが、それを活かせるかどうかは事前の準備次第です。

まず大前提として、この数字はあくまで国の研究開発予算の話であり、個別の転職活動の結果を保証するものではありません。

正確な求人状況や条件は、各CRO・製薬会社の採用ページや転職エージェントへ直接確認してください。

そのうえで、今からできる準備としては以下が挙げられます。

CRA1年目なら、まずは複数のエージェントに登録して市場感覚をつかむことをおすすめします。

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より丁寧なサポートを重視するなら、パソナキャリアのようなエージェントも選択肢になります。

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治験実施件数の増加からCRA・CRO業界の求人動向を読み解くまとめ

  • AMEDの昨年度実績は企業導出158件・治験等111件・薬事承認31件
  • AMEDは基礎研究から治験への橋渡しを担う、資金配分・進行管理の機関
  • 企業導出158件は、数年後の治験案件化につながる「先行指標」
  • 治験増加の背景には国際共同治験の増加・海外バイオファーマの参入拡大がある
  • 「医療分野研究開発のDX」の推進で、モニタリング業務の効率化も並行して進む
  • 案件増加期は未経験・第二新卒向けの求人が増えやすい傾向がある
  • 案件停滞期は即戦力採用に絞られ、求人数自体が減りやすい
  • 「エンハーツ」の適応拡大はオンコロジー領域の案件増加を示唆する
  • 数字はあくまで一般的な傾向であり、個社の求人状況は必ず直接確認する
  • 転職活動は複数のエージェント登録から情報収集を始めるのがおすすめ
  • 志望する治療領域・モダリティを言語化しておくと選考で有利になりやすい

この記事を書いた人

あじたまごと申します!

激務の内資系CRAから外資系CRAへ転職! その後、CTMを経て現在はPMとしてホワイト就業中! 年収100万円UPを叶えた実体験やキャリア構築のコツを発信しています。

新卒で大手内資系CROに就職するも、毎月残業80時間超で疲弊…。
不安を抱えながら外資系CROへ飛び込み、独自のノウハウを駆使してCRAからPMへのステップアップと環境激変を達成しました!

あじたまごGPM@元CRA
あじたまごGPM@元CRA
  • 新卒で大手内資系CROに就職
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