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CRA(臨床開発モニター)に将来性はある?AI時代の製薬業界とキャリアの行方を元CRAが解説

みなさんこんにちは!あじたまごです!

「CRAって将来AIに仕事を奪われるんじゃないですか?」——最近、後輩やSNS経由の相談でこの質問を受ける機会が増えました。

ちょうど今週、AIと臨床開発に関する大きなニュースが立て続けに3つ出たので、GPM(Global Project Manager)としてAI導入の検討にも関わっている立場から、今の時点で分かっていることを整理してお伝えします。

治験のAI活用については厚生労働省の治験ホームページでも施策の方向性が公開されており、業界全体でデジタル化・効率化が進んでいるのは事実です。

ただし、それが「CRAという職業そのものがなくなる」ことを意味するかは、また別の話です。

結論から先にお伝えします。

CRAという仕事自体はなくなりません。むしろ短期的には需要が増える見通しです

ただし、業務の中身は確実に変わっていきます。

その理由を、直近のニュースと現場での実感を交えて解説します。

この記事のポイント

  • 2026年、AI臨床試験市場は前年比で約4割拡大する見通しで、業界全体でAI活用が急速に進んでいる
  • 武田薬品の新社長CEOは「AIでビジネスモデルを再定義する」方針を表明しており、大手も本格的にAI戦略へ舵を切っている
  • CRAの業務は「AIに代替されやすい部分」と「されにくい部分」に分かれ、後者こそがCRAの専門性の核心
  • 政府は骨太方針2026で国際共同治験の倍増を目指しており、治験の絶対量自体が増える政策的な追い風がある
  • 生き残るCRAになるには、AIツールを「使われる」側でなく「使いこなす」側に回るスキルの上乗せが今後の差別化要因になる

CRAは将来AIに仕事を奪われるのか?結論と背景

先に結論をお伝えした通り、CRAという職種自体がなくなる可能性は低いと私は考えています。

ただし「今のままの働き方を続けていれば安泰」という意味ではありません。

CRAの仕事に対する不安の声が増えている背景には、業界全体のIT化・効率化の流れがあります。

CRO業界は成長フェーズから安定成長フェーズへと移行しており、業務プロセスの見直しが各社で進んでいます。

SDV(Source Document Verification:原資料との照合)のリモート化・簡略化は既に多くの治験で標準になりましたし、モニタリングレポートの下書き作成にAIアシスタントを使う会社も出てきています。

あじたまごGPM@元CRA
あじたまごGPM@元CRA

正直に言うと、私がCRAだった頃と比べて、今の若手CRAが担当する事務作業の量は明らかに減っています。その分、「医師との対話」や「被験者の安全性判断」といった、人にしかできない部分の重要性が相対的に高まっている、というのが現場の実感です。

こうした変化を「仕事が奪われる」と捉えるか、「単純作業から解放されて専門性の高い仕事に集中できる」と捉えるかで、キャリアの見え方は大きく変わってきます。

CRO業界の成長フェーズ移行とIT化の関係

もう一つ押さえておきたいのが、CRO業界そのものの成長ステージです。

CRO業界は2018年に売上高が初めて前年を下回ったことをきっかけに、それまでの急成長期から安定成長期へと移行しました。

市場が急拡大し続けていた時期は「人員を増やして案件をこなす」ことが優先されましたが、安定成長期に入った今は、IT化・効率化によって既存の人員でどこまで生産性を上げられるかが各社の経営課題になっています。

この文脈で見ると、AI活用はCRO業界にとって「成長が鈍化した中でのコスト最適化策」という側面も持っています。

だからこそ、今後のCRA数は急増も急減もせず、現状維持からやや増加という水準で推移すると見込まれています。

「AIで一気に人が要らなくなる」という極端なシナリオより、「一人あたりの生産性が上がり、浮いたリソースが新しい治験に回る」という緩やかな変化のほうが現実的だと私は見ています。

【2026年最新】AIが治験・臨床開発を変えている3つの動き

まず、直近1週間で報道された3つのニュースを押さえておきましょう。

いずれも「AIが治験・臨床開発にどう関わろうとしているか」を考えるうえで象徴的な動きです。

武田薬品の新社長CEOが示した「AIでビジネスモデルを再定義」という方針

武田薬品工業の新社長CEOに就任したジュリー・キム氏は、2026年6月25日の記者会見で2段構えの成長戦略を示し、AIで「ビジネスモデルを再定義」する方針を打ち出しました。

国内最大手の製薬会社トップが公にAI戦略を語ったことは、業界全体の意思決定層がAIを経営の中心テーマに据えつつあることの表れといえます。

中外製薬・NTTらのAIを使った治験候補患者抽出の共同研究

中外製薬は2026年6月30日、近畿大学病院・NTT・NTTデータと共同で、リアルワールドデータと生成AI(LLM)を活用した治験候補患者抽出の精度・効率向上に関する共同研究を開始したと発表しました

これは治験の「患者リクルーティング」という、これまで現場のCRA・治験責任医師が多くの時間を費やしてきた工程にAIを活用する試みです。

治験におけるAI活用市場は2026年に1年で約4割拡大する見通し

市場調査データによると、臨床試験におけるAI市場は2025年の約101億ドルから2026年には約141億ドル規模に拡大すると予測されています。

高度な機械学習アルゴリズムにより、被験者の特定・治験施設の選定・プロトコルの最適化が効率化され、治験期間の短縮につながるとされています。

この3つの動きに共通するのは、AIが置き換えているのは「データ処理」「候補者抽出」「効率化」の部分であり、「医師との専門的な対話」「被験者への説明と同意取得」「予期しない事象への臨床的判断」ではない、という点です。

CRAの仕事のうちAIに置き換わる部分・置き換わらない部分

ここが今回いちばんお伝えしたい部分です。

CRAの業務を分解すると、AIによる代替が進みやすい部分とそうでない部分がはっきり分かれます。

業務内容AIによる代替の見込み理由
SDV(原資料照合)・データ整合性チェック高い(進行中)パターン化しやすく、EDCとの自動照合が既に実用段階
症例登録候補の抽出・スクリーニング支援高い(進行中)リアルワールドデータ×LLMでの効率化が始まっている(中外の事例)
モニタリング報告書の下書き作成中程度定型部分はAI活用が進むが、最終的な臨床的判断は人が行う
医師・治験責任医師との専門的対話低い専門知識に基づく信頼関係構築・臨機応変な交渉が必要
被験者の安全性に関わる逸脱対応の判断低い個別事情を踏まえた臨床的・倫理的判断が求められる
施設との関係構築・トラブル対応低い人対人の交渉力・現場感覚が不可欠

表の上段(AIに代替されやすい部分)は、これまでCRAの業務時間の中でも「地味だが時間を取られる」作業でした。

ここがAIで効率化されること自体は、CRAにとって悪い話ではありません。

問題は、表の下段(対人折衝・臨床判断)の比重が高い働き方に、自分をシフトできるかどうかです。

私がGPMとして若手CRAを見ていて感じるのは、「SDVは正確にこなせるが、施設との折衝や医師への説明を任せると急に不安そうになる」という人が一定数いることです。

今後、AIが定型業務を巻き取るほど、こうした対人スキル・臨床判断力の差がキャリアの差になっていくと予想しています。

骨太方針2026「国際共同治験倍増」がCRAに追い風な理由と、今後求められるスキル

骨太方針2026「国際共同治験の倍増」とは何か

政府は2026年6月30日の経済財政諮問会議で示した「経済財政運営と改革の基本方針2026」の原案で、国際共同治験の件数を倍増させる方針を掲げました。

政策の詳細は内閣府 経済財政諮問会議のページで随時公開されます。

これはつまり、日本国内で実施される治験の絶対数を政策的に増やそうとしているということです。

AIによって1件あたりの治験運営が効率化されたとしても、治験そのものの件数が増えれば、それを回すCRAの需要は減りません。

むしろ、効率化で浮いたリソースを新しい治験の立ち上げに回せるようになる分、現場は今よりも忙しくなる可能性すらあります。

「AIに使われるCRA」ではなく「AIを使うCRA」になるために今からできること

ここで正直にお伝えしておきたいのですが、AIに仕事を奪われないことと、今のスキルセットのままで安泰であることはイコールではありません。

定型業務しかできず、AIツールへの適応も避け続けるCRAは、相対的に評価が下がっていくリスクがあると私は見ています。

今から意識しておきたいのは次の3点です。

  • モニタリング支援AIツールが導入されたら、まず自分から積極的に使ってみる姿勢を持つこと
  • SDVなど定型業務の比重が減る分、医師との対話力・臨床的な判断力を意識して磨くこと
  • 英語力やグローバル案件への対応力は、国際共同治験の増加にあわせて引き続き重要になること

自分の市場価値がAI時代にどう評価されるか気になる方は、一度CRAが登録すべきおすすめエージェントで客観的な評価を受けてみることをおすすめします。

エージェントとの面談は、自分では気づきにくい強み・弱みを整理するいい機会になります。

将来性への漠然とした不安から「そもそもCRAという仕事自体を辞めるべきか」と悩む方もいますが、CRAは辞めてもいい〜業界内で職種を変えた同僚〜でも触れている通り、業界内でのキャリアチェンジという選択肢もあります。

AI時代だからこそ、CRA以外の道も含めて自分のキャリアを定期的に棚卸しする価値はあります。

あじたまごGPM@元CRA
あじたまごGPM@元CRA

私自身、CRAからCTM、PM、GPMとキャリアを積む中で、求められるスキルが「作業の正確さ」から「人を動かす力」へと変わっていく実感がありました。AIが定型業務を巻き取る今の流れは、この変化を早めているだけだと感じています。

AI時代のCRAの需要動向にも詳しいアドバイザーが、あなたの経験を客観的に評価してくれます

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AI時代のCRAについてよくある質問

AIに仕事を奪われそうなCRAと、そうでないCRAの違いは何ですか?

SDVやデータ整合性チェックなど定型業務の比重が高く、対人折衝や臨床判断を避けてきたCRAほど影響を受けやすいと考えられます。逆に、医師との対話力や被験者対応力、AIツールを使いこなす姿勢を持つCRAは、今後も評価されやすいでしょう。

CRA未経験からの転職でも、AI時代を生き残れますか?

未経験からのCRA転職自体は今後も可能と考えられます。むしろ新しくキャリアを始める方は、最初からAIツールを前提にした働き方に慣れやすいという面もあります。ただし業界動向は変化が早いため、転職時には最新の求人動向をエージェント経由で確認することをおすすめします。

CRAがAIスキルを身につけるには、何から始めればいいですか?

特別な資格は必要ありません。まずは所属先で導入されているモニタリング支援ツール・AIアシスタントを積極的に使ってみることが第一歩です。あわせて、AIが代替しにくい「医師との対話力」「臨床的な判断力」を意識的に磨くことが、長期的なキャリアの差別化につながります。

転職先を選ぶとき、AIツールの導入状況は見るべきですか?

一つの判断材料にはなります。AI・DXへの投資に積極的な会社ほど、定型業務の負担が軽く、専門性の高い業務に時間を使いやすい傾向があります。ただし、AIツールの有無だけで会社を選ぶのではなく、案件の領域(オンコロジー・希少疾患など専門性が高い領域は特に需要が安定しやすい)やチーム体制もあわせて確認することをおすすめします。

この記事のまとめ

  • CRAという職種自体がAIによってなくなる可能性は低く、短期的にはむしろ需要が増える見通し
  • 2026年、AI臨床試験市場は前年比で約4割拡大する見通しで、業界全体でAI活用が急速に進んでいる
  • 武田薬品の新社長CEOは「AIでビジネスモデルを再定義する」方針を表明し、大手も本格的にAI戦略へ舵を切っている
  • 中外製薬・NTTらは生成AI(LLM)を使った治験候補患者抽出の共同研究を2026年6月に開始した
  • CRAの業務のうちSDVやデータ照合などの定型業務はAI代替が進みやすい
  • 一方、医師との専門的対話・被験者の安全性判断・施設との関係構築はAIに代替されにくい
  • 政府は骨太方針2026で国際共同治験の倍増を目指しており、治験の絶対量が増える政策的な追い風がある
  • 効率化で浮いたリソースは新しい治験の立ち上げに回るため、現場のCRA需要が急減する可能性は低い
  • 今後は「AIに使われる」のではなく「AIを使いこなす」姿勢と、対人折衝力・臨床判断力の強化が差別化要因になる
  • 自分の市場価値やAI時代の需要動向が気になる方は、CRA特化エージェントに相談して客観的な評価を受けるのが近道

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