

CRA(臨床開発モニター)は高年収らしいけど、実際はどうなの?
今の年収に不満がある。もっと上を目指すにはどうすればいい?


新卒からCRA、未経験からCRAに転職して、本当に活躍できるのだろうか?
新薬開発という社会貢献性の高い仕事に惹かれつつも、キャリアと年収について、このような疑問や不安を抱えていませんか?
CRAは、その専門性の高さから高水準の年収が期待できる非常に魅力的な職種です。しかし、誰もが簡単高収入を得られるわけではありません。
年収1000万円という一つの目標を達成するためには、明確なキャリア戦略と、市場価値を高めるための具体的なアクションが不可欠です。
この記事では、CRAのリアルな年収事情から、あなたの市場価値を飛躍的に高めるための具体的なスキルアップ術、年収アップを最大化する転職の極意、そして未経験からCRAへの転職を成功させるための完全ステップまで、CRAとして理想のキャリアと年収を築くためのロードマップを網羅的に解説します。この記事を読めば、あなたのキャリアの現在地と、目指すべきゴール、そしてそこへ至る最短ルートが明確になるはずです。
この記事は、こんなあなたにおすすめです。
- 現在CRAとして働いており、今後のキャリアパスと年収アップの方法を具体的に知りたい方
- 看護師、薬剤師、MRなど、医療系の専門知識を活かしてCRAへの転職を検討している方
- 未経験からCRAという専門職に挑戦し、キャリアチェンジを成功させたいと考えている方
- CRAとして年収1000万円という目標を本気で達成したいと考えている方
- CRAの仕事内容だけでなく、将来性や具体的なキャリアプランについて深く理解したい方
CRAのリアルな年収事情と1000万円への道筋

「CRAの平均年収は本当に高いのか?」「年収1000万円プレイヤーはどんな人たちなのか?」この章では、そんな疑問に答えるべく、CRAの年収に関するリアルな実態を徹底的に掘り下げていきます。年代や勤務先による年収の違いから、他の医療系専門職との比較、そして多くの人が目標とする「年収1000万円」への具体的な道筋まで、詳細なデータと共にお伝えします。まずはCRAの「お金」に関する全体像を正確に把握し、ご自身のキャリアプランニングの土台を築きましょう。
- CRAの平均年収は?年代・勤務先(CRO/メーカー)別に徹底解説
- 20代、30代、40代の年収推移モデル
- CROと製薬メーカーでの年収・業務内容の違い
- 他の医療系専門職(看護師・薬剤師・MRなど)との年収比較
- 年収1000万円は可能?実現している人の特徴と必須条件
- 給与だけじゃない!CRAの福利厚生とワークライフバランスの実態
CRAの平均年収は?年代・勤務先(CRO/メーカー)別に徹底解説
CRAの平均年収は、一般的に500万円〜700万円程度と言われており、日本の平均年収と比較しても高い水準にあります。
しかし、これはあくまで平均値。実際には、年齢、経験、スキル、そして所属する企業(CROか製薬メーカーか)によって大きく変動します。
20代、30代、40代の年収推移モデル
CRAの年収は経験と共に着実に上昇していく傾向にあります。以下に一般的な年収推移のモデルを示します。
- 20代(未経験〜経験3年): 年収400万円〜550万円
未経験からのスタートでも、医療系のバックグラウンドがあれば比較的高水準からのスタートが可能です。この時期は、GCP(医薬品の臨床試験の実施の基準)の知識を習得し、モニターとしての基礎業務を一通りこなせるようになることが目標となります。 - 30代(経験3年〜10年): 年収450万円〜850万円
担当する試験の領域が広がったり、後輩の指導を任されたりと、責任範囲が拡大します。プロジェクトリーダーなど、小規模なチームをまとめる役割を担うことで、年収は大きくアップします。英語力を活かしてグローバルスタディを担当すると、さらに高い年収が期待できます。 - 40代(経験10年以上): 年収800万円〜1200万円以上
管理職(ラインマネージャー、プロジェクトマネージャー)として、チームや大規模プロジェクト全体を統括する立場になります。専門性を極めたスペシャリストとして活躍する道もあり、このクラスになると年収1000万円を超えるケースも珍しくありません。
CROと製薬メーカーでの年収・業務内容の違い

CRAの主な就職先は、製薬会社から治験業務を受託する「CRO(開発業務受託機関)」と、
自社で医薬品を開発する「製薬メーカー」の2つに大別されます。どちらに所属するかで、年収やキャリアパスは大きく異なります。
項目 | CRO(開発業務受託機関) | 製薬メーカー |
---|---|---|
平均年収 | やや低い傾向(500〜800万円) | やや高い傾向(600〜1000万円以上) |
業務内容 | ・様々な製薬会社の多様な領域の試験を担当 ・効率性とスピードが重視される | ・自社製品の限られた領域の試験を担当 ・一つの製品に深く長期間関わることが多い |
キャリアパス | ・若手からリーダー経験を積みやすい ・多様な経験を活かしてメーカーへ転職も | ・専門性を深めやすい ・CRA以外の部署(開発企画、薬事等)への異動も |
働きがい | ・短期間で多くの経験とスキルが身につく ・様々な企業のカルチャーに触れられる | ・自社製品の上市に直接貢献できる ・一つの製品への愛着が湧きやすい |
こんな人におすすめ | ・早く成長したい、多様な経験を積みたい人 ・将来的にメーカーへの転職も視野に入れている人 | ・特定の疾患領域に強い興味がある人 ・安定した環境で腰を据えて働きたい人 |
一般的に製薬メーカーの方が年収水準は高いですが、CROは多様な疾患領域の経験を短期間で積むことができ、
その経験を武器に年収アップの転職を実現しやすいというメリットがあります。
他の医療系専門職(看護師・薬剤師・MRなど)との年収比較
CRAへの転職を考える方の多くは、看護師、薬剤師、MRといった医療系の専門職です。
これらの職種と比較して、CRAの年収はどの程度の位置にあるのでしょうか。
職種 | 平均年収 | 働き方の特徴 |
---|---|---|
CRA | 500万円~700万円 | ・オフィスワークと出張の組み合わせ ・リモートワーク、フレックス制度が普及 |
看護師 | 約490万円 | ・シフト制、夜勤あり ・身体的な負担が大きい |
薬剤師 | 約560万円 | ・調剤薬局、病院、ドラッグストアなど勤務先が多様 ・CRAと比較すると年収の伸びは緩やか |
MR | 約500万円~800万円 | ・営業目標(ノルマ)がある ・業界全体が縮小傾向 ・全国転勤の可能性 |
CRC | 約450万円 | ・医療機関内での勤務が中心 ・CRAに比べると出張は少ない |
このように、CRAは他の医療系専門職と比較しても遜色のない、むしろ高い年収水準を誇ります。特に、夜勤がなく、リモートワークなど柔軟な働き方がしやすい点は、ワークライフバランスを重視する方にとって大きな魅力と言えるでしょう。
年収1000万円は可能?実現している人の特徴と必須条件
結論から言えば、CRAで年収1000万円を達成することは十分に可能です。
しかし、そのためには明確なキャリア戦略と、相応の努力が求められます。年収1000万円を実現しているCRAには、以下のような共通の特徴があります。
- 高い専門性: オンコロジー(がん)、再生医療、中枢神経系など、新薬開発ニーズの高い領域で深い知識と経験を持っています。特定の領域の第一人者となることで、替えの効かない人材として高い評価を得られます。
- ビジネスレベルの英語力: グローバルスタディ(国際共同治験)が主流となる中、英語力は必須スキルです。海外の担当者とスムーズに交渉やディスカッションができるレベルの英語力があれば、担当できるプロジェクトの幅が格段に広がり、年収も大きくアップします。
- マネジメントスキル: 複数のCRAをまとめるプロジェクトリーダーや、メンバーの育成・評価を行うラインマネージャーなど、管理職としての経験は年収1000万円への王道ルートです。
- 戦略的な転職: 自身の市場価値を客観的に把握し、より良い条件(年収、ポジション)を求めてCROからメーカーへ、あるいは外資系企業へと、キャリアの節目で戦略的な転職を成功させています。
これらの条件は、一朝一夕に身につくものではありません。日々の業務を通じて経験を積みながら、
常に自身のスキルアップを意識し続けることが、高みへと至るための唯一の道です。
ご自身の年収水準を確認するには、信頼できるエージェントを仲間に持とう:
給与だけじゃない!CRAの福利厚生とワークライフバランスの実態

CRAの魅力は高い年収だけではありません。多くの企業で充実した福利厚生制度が整備されており、
ワークライフバランスを保ちやすい環境が整っています。
充実した福利厚生:
- 住宅手当・借り上げ社宅制度: 家賃の一部または全額を会社が負担してくれる制度。特に都心部で働く場合に大きなメリットとなります。
- 研修制度: 入社時の導入研修はもちろん、継続的なスキルアップを支援するための各種研修(英語研修、疾患領域研修など)が充実しています。
- 退職金・企業年金制度: 長期的な資産形成をサポートする制度も整っています。
柔軟な働き方とワークライフバランス:
- リモートワーク・在宅勤務: コロナ禍以降、多くの企業でリモートワークが標準的な働き方となりました。通勤時間を削減し、プライベートな時間を確保しやすくなります。
- フレックスタイム制度: コアタイム(必ず勤務しなければならない時間帯)以外は、始業・終業時間を自由に調整できる制度。育児や介護との両立もしやすい環境です。
- 高い有給休暇取得率: プロジェクトのスケジュール管理は必要ですが、比較的休暇は取得しやすく、長期休暇を利用して海外旅行に出かけるCRAも少なくありません。
もちろん、担当する試験のフェーズによっては一時的に業務が多忙になることもあります。
しかし、裁量を持って仕事を進めやすく、制度的にも柔軟な働き方がサポートされているため、CRAは長期的にキャリアを築きやすい職種と言えるでしょう。
【完全ガイド】年収アップを実現するCRAのキャリア戦略

CRAの年収事情を理解したところで、次はいよいよ「どうすれば年収を上げられるのか?」という具体的なアクションプランに移ります。
この章では、現職CRAの方も、これからCRAを目指す方も必見の、年収アップを実現するためのキャリア戦略を徹底解説します。
自身の市場価値を高めるためのスキルアップ術、年収を最大化するための転職の極意、そしてCRA経験を活かしたその先のキャリアパスまで。あなたの理想のキャリアを築くための具体的なヒントがここにあります。
- 自身の市場価値を飛躍させる3つのスキルアップ術
- 有利になる資格(CRA教育研修修了認定、GCPパスポート等)
- 専門性を高めるべき疾患領域(オンコロジー、再生医療など)
- グローバルで活躍するための英語力の重要性と学習法
- 年収アップを最大化する転職の極意
- 外資系 vs 国内大手、あなたに合う転職先の選び方
- 転職成功率を劇的に上げるエージェント活用術と面接対策
- CRAのその先は?経験を活かした多彩なキャリアパスプラン
- スペシャリストルート(プロジェクトマネージャー、ラインマネージャー)
- 他職種へのキャリアチェンジ(MSL、薬事、品質管理など)
自身の市場価値を飛躍させる3つのスキルアップ術

CRAとして年収を上げるためには、受け身の姿勢で業務をこなすだけでは不十分です。常に自身の市場価値を意識し、戦略的にスキルを磨き続ける必要があります。ここでは、あなたの価値を飛躍的に高めるための3つの具体的なスキルアップ術をご紹介します。
有利になる資格(CRA教育研修修了認定、GCPパスポート等)
CRAになるために必須の国家資格はありませんが、自身の知識やスキルを客観的に証明し、キャリアアップに有利に働く認定資格は存在します。
- CRA教育研修修了認定: 日本CRA協会が実施する研修を修了することで得られる認定です。CRAとしての基礎知識を体系的に学んだ証明となり、特に未経験からの転職者にとっては有用なアピール材料となります。
- GCPパスポート・GCPエキスパート: 日本臨床薬理学会が認定する資格で、GCPに関する深い知識レベルを証明します。実務経験を積んだ中堅CRAが、自身の専門性を示すために取得を目指すケースが多いです。
- 日本臨床薬理学会認定CRC: CRAとは異なりますが、CRC(治験コーディネーター)としての専門性を示す資格です。CRCからCRAへの転職を考える際に、臨床現場での高い専門知識を持つことの証明になります。
これらの資格取得が直接的に大幅な昇給に繋がるわけではありませんが、転職活動において他の候補者との差別化を図る上で間違いなくプラスに働きます。
専門性を高めるべき疾患領域(オンコロジー、再生医療など)
すべての疾患領域を均等に経験するよりも、将来性があり、難易度の高い特定の領域で専門性を築くことが、高年収CRAへの近道です。特に以下の領域は、新薬開発が活発でCRAの需要も高いため、狙い目と言えます。
- オンコロジー(がん)領域: 薬剤の種類が多く、試験デザインも複雑なため、高度な専門知識が求められます。経験豊富なオンコロジーCRAは常に不足しており、非常に高い市場価値を誇ります。
- 再生医療・細胞治療領域: 近年急速に発展している最先端の分野です。まだ経験者が少ないため、早期にこの領域でのキャリアを築くことで、将来の第一人者となれる可能性があります。
- 中枢神経系(CNS)領域: アルツハイマー病やパーキンソン病など、アンメット・メディカル・ニーズ(未だ満たされていない医療ニーズ)が高い分野です。評価項目が複雑で、難易度の高い領域ですが、その分高い専門性が評価されます。
これらの領域の経験を積むためには、社内で希望を伝えたり、専門領域に強みを持つ企業への転職を視野に入れることが有効です。
グローバルで活躍するための英語力の重要性と学習法
現代の新薬開発において、グローバルスタディ(国際共同治験)は当たり前です。そのため、CRAにとって英語力はもはや「あると良いスキル」ではなく、「必須スキル」となりつつあります。
なぜ英語力が必要なのか?
- プロトコル(治験実施計画書)や報告書など、多くの文書が英語で作成される。
- 海外の依頼者や他国のCRAとメールや電話会議でコミュニケーションを取る機会が多い。
- 英語力が高ければ、担当できるプロジェクトの選択肢が大幅に増え、年収も高くなる傾向にある。
目標とすべきレベルと学習法
- 目標: TOEICスコアで言えば、最低でも750点以上、グローバルスタディの中心メンバーとして活躍するには860点以上を目指したいところです。
- 学習法:
- オンライン英会話: 日常的に英語を話す機会を作り、コミュニケーション能力を鍛える。
- 医療・製薬分野専門の英語学習: 専門用語や特有の表現を重点的に学ぶ。
- TOEIC対策: 基礎的な英語力とスコアアップのテクニックを学ぶ。
英語力は、あなたのキャリアの可能性を国内から世界へと広げるためのパスポートです。継続的な学習を習慣づけましょう。
年収アップを最大化する転職の極意
CRAが年収を大幅にアップさせる最も効果的な方法の一つが「転職」です。現職での昇給には限界がありますが、転職によって自身の市場価値を正しく評価してもらうことで、一度に年収を100万円以上上げることも夢ではありません。
外資系 vs 国内大手、あなたに合う転職先の選び方
転職を考える際、大きな選択肢となるのが「外資系企業」か「国内大手企業」かです。それぞれにメリット・デメリットがあるため、自身のキャリアプランや価値観に合った企業を選ぶことが重要です。
項目 | 外資系企業 | 国内大手企業 |
---|---|---|
年収 | 高い傾向(成果主義) | 安定している(年功序列の側面も) |
文化 | ・個人主義、実力主義 ・意思決定が速い ・ダイレクトなコミュニケーション | ・チームワーク重視、協調性 ・ボトムアップの意思決定 ・丁寧な根回し文化 |
働き方 | ・オンとオフが明確 ・長期休暇が取りやすい | ・福利厚生が手厚い傾向 ・安定、長期雇用 |
求められるスキル | ・高い専門性と英語力 ・主体性、セルフマネジメント能力 | ・協調性、コミュニケーション能力 ・着実に業務を遂行する力 |
「自身の成果を正当に評価され、若いうちから高い年収を目指したい」という方は外資系、「安定した環境で、チームとして目標を達成することにやりがいを感じる」という方は国内大手が向いていると言えるでしょう。
転職成功率を劇的に上げるエージェント活用術と面接対策
CRAの転職活動を成功させるためには、CRA業界に特化した転職エージェントの活用が非常に有効です。
転職エージェントを活用するメリット:
- 非公開求人の紹介: Webサイトなどには掲載されていない、好条件の非公開求人を紹介してもらえる。
- 書類添削・面接対策: CRAの転職市場を熟知したキャリアアドバイザーから、専門的なアドバイスを受けられる。
- 年収交渉の代行: 自分では言い出しにくい年収の交渉を代行してもらえる。
面接で必ず聞かれることと対策:
- 「これまでのCRA経験で最も困難だったことは何ですか?それをどう乗り越えましたか?」
→ 問題解決能力とストレス耐性を見ています。具体的なエピソードを交え、論理的に説明できるように準備しておきましょう。 - 「あなたの強みと、それを当社でどう活かせると考えますか?」
→ 自己分析と企業研究の深さが問われます。企業のパイプラインや社風を理解した上で、自身のスキルがどう貢献できるかを具体的にアピールしましょう。
エージェントを「パートナー」として上手く活用し、万全の準備で面接に臨むことが、転職成功の鍵となります。

CRAのその先は?経験を活かした多彩なキャリアパスプラン
CRAとして経験を積んだ後には、さらに専門性を高める道や、全く異なる職種へチャレンジする道など、多彩なキャリアパスが広がっています。CRAはキャリアのゴールではなく、次のステージへ進むための重要なステップなのです。
スペシャリストルート(プロジェクトマネージャー、ラインマネージャー)
CRAとしての経験を活かし、より上位のポジションで専門性を発揮するキャリアパスです。
- プロジェクトマネージャー(PM)/プロジェクトリーダー(PL):
- 役割: 治験プロジェクト全体の責任者。予算、スケジュール、品質を管理し、プロジェクトを成功に導きます。
- 求められるスキル: 高度な専門知識、リーダーシップ、問題解決能力、交渉力。
- 年収レンジ: 800万円~1500万円以上。
- ラインマネージャー:
- 役割: CRAが所属する部門の管理者。CRAの採用、育成、評価、リソース管理などを担当します。
- 求められるスキル: マネジメント能力、コーチングスキル、人事評価に関する知識。
- 年収レンジ: 900万円~1800万円以上。
他職種へのキャリアチェンジ(MSL、薬事、品質管理など)
CRAとして培った医薬品開発の知識は、他の様々な職種でも高く評価されます。
- MSL(メディカル・サイエンス・リエゾン): 専門知識を活かして、医師と医学的・科学的なディスカッションを行う職種。
- 薬事: 医薬品の承認申請に関わる業務。GCPだけでなく、薬機法など関連法規の知識が求められます。
- 品質管理(QC)/品質保証(QA): 治験がGCPや関連法規を遵守して適切に行われているかを確認、保証する部門。
- 開発企画: 新薬の候補物質を探し、開発戦略を立案する、医薬品開発の最上流を担う職種。
これらの職種は、CRAとしての臨床現場の経験があるからこそ、より深いレベルで業務を遂行できます。自身の興味や適性に合わせて、幅広いキャリアの選択肢があることもCRAの大きな魅力です。
未経験からCRAへ!転職を成功させるための完全ステップ

「専門職だから、未経験からの転職は難しいのでは?」そんな不安を抱えている方も多いかもしれません。しかし、適切なステップを踏めば、未経験からでもCRAへの転職は十分に可能です。この章では、異業種からCRAを目指す方のために、転職を成功させるための具体的なルートと、アピールすべきポイントを解説します。あなたのこれまでの経験は、必ずCRAの仕事に活かせます。
- CRAになれる職種と求められる経験
- 看護師、薬剤師、CRC、MR、臨床検査技師からの転職ルートとポイント
- 未経験からの転職でアピールすべき強みとは?
- まとめ:CRAとして理想のキャリアと年収を築くために
CRAになれる職種と求められる経験
未経験からのCRA転職では、特に親和性の高い職種が存在します。それぞれの職種で培った経験が、CRAの業務でどのように活きるのかを理解し、効果的にアピールすることが重要です。
看護師、薬剤師、CRC、MR、臨床検査技師からの転職ルートとポイント
前職 | CRA業務に活かせる強み | アピールポイント |
---|---|---|
看護師 | ・患者対応経験と高いコミュニケーション能力 ・カルテ読解力と医学的知識 ・多忙な臨床現場で培ったタフネス | 医師や看護師との円滑な関係構築能力。被験者の気持ちに寄り添える視点。 |
薬剤師 | ・医薬品に関する深い知識 ・薬物動態や副作用に関する専門性 ・論理的思考力 | 治験薬の管理や、薬学的な観点からのプロトコル理解度の高さ。 |
CRC | ・治験業務に関する実践的な知識と経験 ・GCPへの深い理解 ・医療機関側の事情を熟知している点 | 即戦力として活躍できること。医療機関側の視点を理解した上で、円滑なモニタリング業務を遂行できる能力。 |
MR | ・医師との高いコミュニケーション能力と関係構築力 ・担当エリアの医療機関に関する情報 ・目標達成意欲と行動力 | 担当医師とのリレーション構築の速さと深さ。施設選定や症例登録の推進力。 |
臨床検査技師 | ・検査値やデータの正確な読解力 ・品質管理に関する知識 ・緻密で正確な作業遂行能力 | 検査データのレビューや逸脱事項の特定における正確性と専門性の高さ。 |
これらの職種は、CRAの応募資格として定められていることも多く、転職市場において非常に有利です。ご自身の経験を棚卸しし、CRAの仕事と結びつけて語れるように準備しておきましょう。
未経験からの転職でアピールすべき強みとは?
医療系の資格や経験がない場合でも、CRAに転職できる可能性はあります。その際に重要となるのが、ポータブルスキル(持ち運び可能なスキル)のアピールです。
- コミュニケーション能力: CRAは医師、看護師、CRC、社内担当者など、非常に多くの関係者と連携して仕事を進めます。相手の立場を理解し、円滑な人間関係を築く能力は最も重要なスキルの一つです。
- 論理的思考力: 治験で得られた膨大なデータを基に、問題点を発見し、その原因を分析し、解決策を導き出す能力が求められます。
- 学習意欲と自己管理能力: 医学や薬学は日々進歩しています。常に新しい知識を学び続ける姿勢が不可欠です。また、出張やデスクワークのスケジュールを自身で管理し、効率的に業務を遂行する能力も重要です。
- 基本的なPCスキル: Word、Excel、PowerPointを使って報告書やプレゼンテーション資料を作成する機会が多いため、基本的なPCスキルは必須です。
これらのスキルを、これまでの業務経験における具体的なエピソードを交えてアピールすることで、未経験というハンデを乗り越えることができます。
この記事のまとめ:CRAとして理想のキャリアと年収を築くために
最後に、この記事でお伝えした「CRAとして理想のキャリアと年収を築くためのロードマップ」の要点をまとめます。
- CRAの平均年収は500~700万円と高水準だが、年齢、経験、勤務先(CRO/メーカー)で大きく異なる。
- 年収1000万円は十分に可能な目標。達成には高い専門性、英語力、マネジメントスキルが鍵となる。
- 年収だけでなく、充実した福利厚生と柔軟な働き方もCRAの大きな魅力である。
- 年収アップには、オンコロジーや再生医療など、需要の高い疾患領域の専門性を高めることが有効。
- グローバルスタディが主流の今、ビジネスレベルの英語力は必須スキルであり、年収に直結する。
- CRAのキャリアパスは多彩で、管理職(PM、マネージャー)や他職種(MSL、薬事等)への道も開かれている。
- 年収を大幅に上げる最も効果的な手段は転職。特にCROからメーカー、外資系への転職は大きな年収アップが期待できる。
- 転職成功のためには、CRA業界に特化した転職エージェントの活用が非常に有効。
- 看護師、薬剤師、CRC、MR、臨床検査技師などの経験は、未経験からのCRA転職において大きな強みとなる。
- 未経験者は、コミュニケーション能力や論理的思考力といったポータブルスキルを具体的にアピールすることが重要。
- CRAは、社会貢献性と専門性、そして高い報酬を両立できる、非常に将来性のある魅力的な職業である。
この記事が、あなたのCRAとしてのキャリアを切り拓くための一助となれば幸いです。自身の可能性を信じ、戦略的にキャリアを築くことで、理想の年収と働き方をその手に掴んでください。
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